本記事はこんな方におすすめです。
- 長らくうつの症状が治まっているけど、再発を恐れている方
- 実際にうつが再発した人の体験談を知りたい方
私は現在、うつ病の症状も治まって寛解(かんかい:症状が治まっていること)の状態です。
ですがうつの辛さは再発しやすいと聞きます。
もし再発したら、あの時のような地獄の日々になるんでしょうか?
また、再発のきっかけなどありましたら教えてください。
今回はこんな疑問にお答えします。
辛いうつが再発することは、一度でもうつ病を経験すると、これはもっとも恐れることですよね。
あの辛かった毎日はもう経験したくない!そう思っている方は多いと思います。
そんなあなたへの悩みによる私の答えは、再発は思っているほど辛くないということ。
あくまでも主観的な答えではあるんですが、その中でも私なりの根拠、再発の原因や次への反省を述べていきたいと思います。
私はここ5年ほど、長期に渡って病院に行ったり抗うつ薬は飲んだりはしていなかったんですが、2021年の5月にうつ病が再発し、5年ぶりに服薬治療を再開しています。
原因は細かな問題や悩みが、一時期に集中しすぎて耐えられなくなったというものです。
長らくうつの予防に努めていて、寛解の状態を維持していたので、この体験は結構残念に思っています。
ですが、この体験があるからこそ、再発はそれほど怖くなかったと証明できたとも言えます。
再発初期段階は、気分がどん底まで落ちましたが、その後の回復はとても順調で、再発前よりも快適な毎日を過ごしています。
この記事では、私のうつ病の再発の体験を元にした
という流れで解説したいと思います。
うつ病が再発しても軽症で済んだ理由
今回は結構気分が落ち込んだけど、初めての時ほどではない
なぜあれほどまでに恐れていた症状の再発が辛くなかったのか?
それは
以前よりも、環境や心構えなど、うつに対しての防衛の条件が整っていたからです。
うつ病歴がある人にとって、辛いうつが再発することは、とにかく恐怖でしかありません。
そんな私も
- どうすれば気分が落ちてもすぐに立て直せるか?
- そもそも気分を落とさないようにするためにはどうしたらいい?
という問いを自分自身に投げかけては、自分への理解を深め続けていました。
おそらくこれは、うつ病経験者なら誰もが問いかけ悩み続ける、永遠のテーマなのではないでしょうか?
実はこれが、とてもいいんです。
そのうつ病という病気に対する理解や状況に応じた対処を10年も研究していると、生活環境も思考も大きく変化しています。
以前と比較として
以前は
- 会社では暴力、罵倒などのハラスメントが日常的にあった
- 仕事内容が自分に合わず、常に短納期で多忙、長時間労働だった
- 仕事上の人間関係(周囲の自分に対する評価)を気にしすぎていた
- 自分の考え方も「根性、忍耐、全力」など、自分を追い込む考え方をしていた
- 自分自身や周囲の人の、うつの理解度が低かった
- 精神科=頭がおかしくなった人が行くという、病院に対して間違った認識があった
現在は
- 現在は転職していて、職場環境にはそこそこ満足している
- 基本的に定時退社で納期に余裕がある(コロナ禍で仕事量が落ちているだけなのだが)
- 今は私自身が、仕事上の人間関係や評価を重視していない
- うつ病再発を恐れて、気持ちが病むまで粘らなくなった
- 以前と比べて、今は周囲の人達もうつ病に対する理解がある
- 以前と違い、精神科や心療内科へのイメージは明るい
10年にわたって「辛い努力をしないための努力」をしてきたので、再発しても以前より冷静に対処できたわけです。
今回この「自分自身に問いかけ続けること」がこころの防衛に対してとても有効だと実感しました。
早めに病院に行くのが最善策!
あと、うつ症状が重症化するまえに病院に行こうと決めたことも、軽症で済んだ理由の一つです。
早めに病院に行くメリットは4つあります。
- 軽傷なら、医師に相談するときに、論理的に話せる(医師がより適切な治療を判断できる)
- 軽傷なら薬の量が少なくて済む
- 軽傷なら少量の薬でも十分に効果が出る
- 上記3つの理由から、通院期間が短くて済む
早く医者に診てもらうことにはまさに、良いこと尽くめなんです。
例えば、あなたは歯が痛い時は
すぐに歯医者に行かないと!
と思うはずです。逆に、
いやいや、私は虫歯でも歯が真っ黒のボロボロになるまで行かないよ!
という方はまずいないと思います。
そう、こんな感覚で病院に行けばいいんです。
永久歯は抜けてしまったら二度と生えてきません。
こころも折れてしまうと、その回復力は失われてしまいます。
あなたの体やこころは大切に扱いましょう。
辛いうつが再発した原因
私のうつが再発した原因は、ごく小さなストレス要因の積み重ねでした。
それぞれ小さなものなので、一つずつ対処すれば何の問題もありません。
問題はストレスが一気に一時的に集中しすぎたことです。
主なストレス要因は以下のとおり。
- 育児と新居探し
- お金のこと
- 仕事での疲労
- 交通ルール違反での罰金(トリガー)
これらの理由が堂々巡りのようにグルグル回っていて、ストレスを助長させたということです。
そしてそのストレスを助長する主な思い込みに
- 家事や子供の世話は疲れてても手を抜いてはいけない(私が苦手な問題だけど)
- お金や部屋探しの問題は自分がやらねばならない(妻が苦手な問題なので)
- 「あなたが元気なら、この家は明るい」という妻の言葉にプレッシャーを感じていた
というものがありました。
家事は妻からはやらなくていいと言われていたのですが、何だか申し訳なくて、意地になってやっていました。
さらにこの時期はコロナ禍の緊急事態宣言で、心療内科の初診はどこでも断られていたので、予約すらできませんでした。予約が取れても3~6か月後など。
そんな調子でストレスも逃がせない、病院にも行けない時期がしばらく続いており、「なんか最近、ちょっとメンタルがやばいかも…」と危機感を抱きながらも、我慢して耐えていたんですが…。
ある日、疲れた状態で車を運転していたら交通ルール違反で罰金を払わなければならなくなりました。
それがトリガーとなってストレスが爆発し、うつ状態が再燃してしまったという流れです。
通院と服薬を始めたら想像以上に回復した
うつ再発直後、運良くすぐに心療内科の受診の予約が取れました。
結果は薬が抜群に効いて、一気に窮地を脱することができました。
これは主治医から聞いた事ですが、やはり早期のうちに受診したことが大きかったからだそうです。
今回は服薬から2、3日ほどで効果が現れて、
- 話が弾む
- 笑顔が戻る
- 冷静な思考力が戻る
- 積極的な思考が戻る
- 家族を愛せる
などのポジティブな状態が、その後も安定して継続できました。
この時は本当に、心の底から「助かった…!」と思いました。
ですが薬物治療はあくまでも対症療法なので、生活面や精神面の根本的な解決が必要です。
薬で正常な精神状態を保ちつつ、悪くなった原因を見つめなおす必要があります。
今回の反省と改善
失敗やつまづきは誰にでもあります。
ですので今回の件を過大に受け止める必要はないと考えています。
それよりも、今回の件から何を良くするかが大事です。
今回の原因について私は、あらゆることに「~しなければならない」と思い込んでいたようです。
例えば
- 家事や子供の世話について、疲れていても手を抜いてはいけないという思い込み
- 妻が私を休ませるために作ってくれた時間なのに、自分一人が休むべきではないと考えていた
- お金や部屋探しなど、妻ができないことはすべて自分がこなすべきだという思い込み
などが思い当たるところです。
さらに、子供が成長した時のリスクの備えなど、先々のことばかり考えていたことも原因の一つです。
家の中でこんな緊張した状態だと当然、精神的に健全ではなくなってきます。
ですので、私は今回の反省から、2つのルールを付け加えるようにしました。
それは
- しんどい時は素直に辛いと申告する
- あまりにも遠い将来のことは考えない
ということ。
人はいつでも同じ状態でいることはできません。
良い時もあれば悪い時もあります。
ですので悪い状態の時は小休止を入れるために
- ちょっと一人で散歩したい
- 一人で考え込む時間が欲しい
- ちょっと体を休めたい
などを素直に言えるようになること。
たとえタイミング的に希望通りにいかない時でも、自分から言える姿勢を作ることは、普段のメンタルの維持がしやすくなります。
そして、もう一つは遠い将来や先々のことまで考えないということ。
これは、私の思考の軸が「不安に備える」ことにフォーカスしてしまいがちだからです。
将来のことも大事ですが、不安ばかり考えているとネガティブになるばかりか、今現在のことも見えなくなります。
その結果、結局将来が悪い方向に向かってしまいます。
だから将来への考え事もほどほどにした方が良いということです。
重ねて言いますが、失敗して初めてこういう振り返りができるので、失敗することすべてが悪いわけではないんです。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです。
①うつ病の再発は思ったより辛くなかった理由として、
- 過去より現在の方が、うつがひどくなりにくい状況が整っている
- 抑うつ状態が発症したとは言え、早めに病院に行けたことが良かった
ということが挙げられます。
②辛いうつ再発の原因については
- コロナ禍の時期で、すぐに病院に行けない状態だった
- 思考がじょじょに「~しなければならない」という考えに縛られていた
- 遠い将来の不安にとらわれていた
という要因がありました。
③早期の服薬は効果的で、症状は急回復しました。
④今回の反省による改善は
- しんどくなればすぐに家族(妻)に伝える
- 不安が大きくなる将来の悩みは捨てて、今を重視する
の2点を改善点としました。
補足 コロナワクチンと祖母の死別で、しばらく落ち込んだ
これまでは自分自身の気持ちの在り方でしんどくなっていましたが、それ以外にも気分が落ちる要素がありました。
それは
- コロナワクチンの予防接種
- 夏場の急な気温上昇
- 祖母との死別
といった理由です。
まずコロナワクチンですが、打ってから2日後に熱とだるさに襲われました。
その日は仕事をするのがやっとで、仕事から帰ってくると、晩御飯も食べず風呂も入らず、そのまま倒れこむように寝てしまったくらいです。
もちろんワクチンについては個人差があると思うので、すべての人がこうなるとは言い切れません。
さらに夏場による急な気温上昇によって、体力が大きく削られました。
それから追い打ちのように、ワクチン接種の直後に祖母の通夜と葬式が控えていました。
祖母の訃報を聞いて、少しずつ精神的に疲れが溜まったのか、葬儀の翌日に見事に心身のエネルギーが不足して、2,3日の間軽いうつ状態に…。
それから一週間ほどで回復して正常なメンタルに戻っていますが、やはり同時多発的にストレス要素が重なるのは警戒した方がよさそうです。
やはり短期間でストレス要因が集中すると、うつ状態発症の可能性は飛躍的に上がるようです。
そんな時の主な兆候として、著しくやる気が低下したり、熱っぽくなるなどの体調不良に陥ります。
ですのでこの兆候を休むサインととらえて、負担のタイミングをずらしたり、無理せずに早めに睡眠をとるなど、防衛と回復に専念しましょう。
本日は以上となります。
あなたの回復が一日でも早くなりますように。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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