この記事はこんな方におすすめです。
- うつ病がある程度治ったけど、また再発しないか不安を感じている方
- すでに寛解したけど、たまにぶり返すうつの辛さに悩まされている方
- いま、うつ病の治療中だが、復帰後の症状との付き合い方について参考にしたい方
病気が寛解して、仕事にも復帰しました。
ですが、たまに発作のように気持ちがしんどくなることがとても辛いです。
うつの辛さは治らないのでしょうか?
今回はこういった悩みにお答えします。
ちなみに寛解(かんかい)とは「全治ではないが、病状が治まって安定した状態」という医学用語です。
産業医の学術記事(4.うつ病の経過)によりますと、うつ病は回復後の再発率が約50%と高く、再発するごとに70%、90%とその確率も上がっていくのが特徴的です。
ですので、やっと寛解の状態まで病気が回復したのに、時々やってくる発作のような感情の波が辛い…。
こういった思いをしている方も多いのではないでしょうか?
本題の前に先に結論を言いますと、
ですが、体調の段階に応じた行動や思考パターンを知っていると、大きく落ち込む前に対策できます。
寛解した現在の私も、実は数か月に一度マイナス思考の波がやってきます。
特に2020年のコロナ禍では
- 会社や家族(特に子供)への感染の可能性
- 人目や気を遣いながらの外出
- 心療内科などで医師の診断を受けたくても、うつ病患者が増えすぎて、通院はおろか予約すら取れない状況
など、これまでとは違ったパターンのストレスに悩まされました。
私はその時、そのまま発作が悪化していって、再発してしまうのではないかと思ったほどでした。
ですので、私は発作を改善するために、どんな時にどんな辛さがでるのかを細かく調べました。
そして色々な辛さが出る時、ほぼ決まったタイミング、決まった症状がでることに気付きました。
私はその結果を元に、度合い別の対処法を立てて乗り切ることができました。
この記事では
私が考えた体調のバロメーターと、その度合いに応じた3段階の対処法が分かります。
※注意
紹介する方法は、あくまでも私の体験や実践を元にした、参考資料のようなものです。
医学的な知識を用いた治療を望む方は、専門の病院や産業医などの医者と相談してください。
それでは早速参りましょう。
寛解後にも出る辛いうつ症状、3段階の対処法
主な症状を見てみよう
出てくる症状は病気であった時と大体同じで、その度合いがうつ病の頃より比較的軽いという違いだけです。
大事なことは、その症状がどういう場面であらわれるか気付くことです。
私の場合は
といった症状が、今でも時々でてきます。
赤文字で書いた症状は、私がその段階の初期症状を判断するサインにしているものです。
ちなみに頭痛は元々あったものですが、うつが寛解したあとはほぼ毎日悩まされています。
バロメーターになる習慣を調べる
毎日の行動を知る
毎日の行動の中で、習慣化された行動を思い浮かべてみてください。
行動が思い浮かんだら紙などに分かるように書きます。
書き出した行動の中から、毎日の変化に気付きやすそうなものを選んで、毎日観察します。
これは、同じ行動を観察し続けると、うつ状態や抑うつ気分の辛さを和らげるヒントが得られやすくなるからです。
習慣化された動きは、エネルギーの消費がとても少なく、ほぼ無意識にできる動きです。
そんな無意識でもできる動きが、いつもと違ったりできなかったりする時は、いつもとは何かが違う状態ということになります。
それは例えば体調だったり、気分だったりなど、あなたの中に原因があるかもしれません。
または、人間関係の変化、天候による気温や気圧の変化など、環境の変化が原因だったりもします。
こういう、あなたの中の小さな変化がわかれば、うつの辛さが治らないときの対処がやりやすくなります。
私の毎日の行動を例に挙げると、こんな感じです。
朝、会社に着いたら
- 階段を上がって2階の事務所で身支度をする
- 日課の事務所の掃除をする(業務ではないけど、キレイな方がいいから)
- 始業時間になるまで瞑想する
昼、ご飯を食べたら
- 筋トレ(10分~15分)
夜、仕事が終わると
- 仕事の反省をノートに書く
- 筋トレ(20分~30分)
- 副業にとりかかる(2時間程度)
選ぶ行動はあまり多くは書かない方がいいかもしれません。
観察するものが増えると、一つの事柄に対する注意力がバラけてしまうからです。
あと、できれば体を使う行動と頭を使う行動をバランスよく含めるとよいです。
そうすることで体の不調とこころの不調に気付きやすくなります。
うつの辛さがぶり返した時の、段階別の対処法
うつの辛さがぶり返してきた時は、大抵は体もこころも疲れている状態です。
ですので毎日の行動の質も少しずつ下がってきます。
うつの辛さが治らない時の対処法の基本は、質をムリに上げようとせず、下がったことを受け入れることがとても重要です。
例として私の対処法を紹介します。
1段階目 朝の行動に変化があらわれる
肩こりは誰でも疲れた時は感じることですし、この段階で気分はそれほど落ちていません。
それに、症状がぶり返す手前の時期は、忙しかったり少し気分が良く調子に乗っていたりと、大抵気分が高揚していたりします。
ですので、見落としてしまうような生活になってしまいがちです。
だからほとんど2段階目まで落ちてしまいます。
ただ、この段階で行動に少し変化があります。
それは
朝の行動で
- 事務所の階段を上がる時に体のだるさ、重さを感じる
- 事務所の掃除が雑になるか、またはしない
という変化があらわれました。
そしてその対処法として
- 無理せずペースを落とす。
- できればその日は早めに寝る。
私はこれだけでほぼ一日で治ります。
結局、1段階目での原因のほとんどが、少しずつ乱れてきていた生活が原因です。
普通の人の疲れと同じです。
ですので少し体に気を遣った生活に戻すことで、改善できます。
この状態は体のエネルギー(体力)は少し足りていませんが、こころのエネルギー(気力)が足りているので、体はまだ動きます。
数値であらわすなら、体力50%、気力70%といったところでしょうか。
ですが体を動かし続ければ、気力も不足して、両方足りなくなってしまいます。
ちなみに体力、気力0%で朝目覚めても起きれない状態で、うつ病再発というイメージです。
私は腰や背中の痛みに気付いたとき「あ、いま少し1段階目の症状が進んできているな…?」と、体が疲れていることを認め、ペースを落とすことにしています。
この1段階目で症状が出ていることを認めることが大切です。
ただ、この段階は分かっていてもつい無理してしまう状況でもあるんですよね…。
2段階目 朝、昼、晩の行動のほとんどの質が粗くなる
2段階目になると体の疲れ以外にも、ストレスなどのこころの疲れも溜まっています。
体力も気力もエネルギー不足な状態なので、生活するだけでもかなり疲れます。
また、この段階になると不安や焦りが一日中つきまとい、物事に集中できなくなるなど、精神的にも被害が出ていることに気付きます。
この段階の主な特徴は
- 一連の行動をギリギリこなすことはできるが、どの質も悪い
- 特に仕事の反省ノート、副業といった、頭を使う行動の質が落ちる
- 筋トレはひどい疲労感で、こなすことがほぼできない
- 聴覚過敏になり、特に人の声が雑音のように聞こえ、会話が聞き取れなくて不快に感じる
- 思考力が落ち、仕事の凡ミスが増える
主にこういう状態まで落ちてしまいます。
そして対処法は、
- 筋トレなどの運動をやめ、休憩や瞑想に変える
- 「食事、睡眠、休養(リラックス)」を意識した生活をする
- できるだけ一人の「何もしない」時間を長時間作る
私は2段階目の症状のサインを感じた時点で、すぐに回復に意識を向けるようにしています。
多分この状態は、普通の人が「もうダメ、しんどい…。」と感じる状態だと思います。
数値であらわすなら体力30%、気力30%といったところです。
気力の落ち方が日に日にひどくなります。
この段階ではもう、気力で乗り切ろうとしても、かなりムリしていることが自覚できる状態です。
ですので、とにかく疲れを取り除くことを中心に考えるようにしています。
3段階目 必要最低限の行動しかこなせなくなる
3段階目になると、うつ病の時とまではなりませんが、感情のコントロールが難しくなってきます。
体はひどい疲労感で、朝からクタクタの状態です。
この段階の主な特徴は
- 緊張と疲れで、体がガチガチに硬くなっていて、体中だるくて痛い
- 胸が詰まり、息苦しくなる
- 乱れた呼吸をするせいで、まったく思考がまとまらずパニックになりそうになる
- 副業や仕事の反省ノートなど、将来に向けた行動ができなくて無力感を感じる
- 死にたくなる気持ちが徐々に出てくる
対処法は一つだけ
- とにかく休むことに専念し、体が回復するまでは必要最低限の行動(生活や仕事など)以外はすべて中断する
3段階目は疲労がピークを通り越している状態です。
体力10%、気力5%のような状態です。
この状態ではまず体力を回復させることが、なによりも優先されます。
なぜなら、一度気力が落ち切ってしまうと、まず体力を回復させないと気力は戻らないからです。
私はこの状態になったときは
- とにかく多く食事を摂る
- とにかく長く寝る。
- 睡眠時の回復を上げるために、栄養ドリンク(めちゃくちゃいいヤツ)を飲んで寝る
というルールを決めています。
この段階まで落ちてしまうと、寛解した状態でも回復に一週間はかかります。
それほど心身が疲れ果てている状態がこの段階です。
辛いうつが治らないことを周囲に知ってもらう意味でも、記録は重要
私のように、結婚していて、家族と生活をしている人もいると思います。
そういう方々はあなたのことを理解しようとしています。
ですが具体的にどんな状態なのかまでは理解できません。
そして、あなたは「普段は元気に過ごせている」から、うつの辛さが出た時との落差に周りの人はビックリしてしまいます。
その、治らないうつの辛さを知ってもらう意味でも、こういう記録や分析は効果的です。
具体的な症状と、和らげるための手段が書いてあれば、周りの人達のあなたへの理解が深まりやすいです。
それは周りの人達の安心になりますし、あなた自身の回復を早める環境も整います。
今回は以上です。
ごく個人的な記録の例ではありましたが、参考なれば幸いです。
あなたの回復が一日でも早くなりますように。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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