この記事はこんな人におすすめです。
- 休職することに罪悪感がある
- 休職するにあたって、どんな手順を踏むのかわからない
- 休職中の、会社や周囲の人達との適切な付き合い方が知りたい
- 復職までの収入を確保したい
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うつ病になり、休職を考えています。
ですがうつが辛いので復職できるか不安です。
あと休職中のお金の問題も不安です。
精神疾患は本人にとっても判断がむずかしい病気なので、これらの悩みがとても深刻ですよね。
精神疾患になる人の多くはまじめな人なので
- 長く休むと、会社から嫌がられるかも…
- 今の自分がとても情けなくてみじめだ…
- そもそも復職できるのかな…
といった悩みで頭がいっぱいだと思います。
ですが、せっかくの休職中でも、病気の悩みや会社への遠慮を抱えたままでは、体調は回復できません。
私は休職期間に適切な休み方ができず、復職に失敗して再発し、退職しました。
そして復帰するまでの2年間の生活費などで,結婚資金として貯めていた300万近いお金を使い果たしました。
さらに友達や兄弟の縁まで失いました。
この記事では、みなさんがそうならないように
という内容で、辛いうつでの復職に向けた休職方法を解説していきます。
みなさんにはなるべく、健やかな気持ちで休職してほしいと思います。
それでは早速参りましょう。
うつで辛い時は、家族にサポートしてもらおう
うつで辛い時は、簡単な決断もできなくなります。
さらに文字を読んだり、計算ができなくなります。
そんな状態での提出書類の作成は、かなり困難です。
ですので、親や家族などの信頼のおける人と一緒にこなしましょう。
辛いうつで復職に向けた、休職の心構え
「休職=あなただけが悪い」ではない
職場の環境などで休職者が出ると、会社は主にこういう処置をします。
- 会社は休職した従業員の復職を支援する
- 会社はあなたの事例を参考にして、社内ルールを改善する
このように、会社にも反省や改善すべき点があります。
あなたは再び会社に貢献するために休職します。
会社は生産性を落としたくないので休職させます。
せっかく雇った優秀な従業員を使い捨てても、会社は損するだけです。
お互いに必要としているので、あなただけが申し訳なく思う必要はありません。
休職は謹慎ではありません
休職中はこころを整える事が目的です。
謹慎のように自宅待機を命ぜられているのではありません。
ですので、このような
- 外出する
- あなたが考えた、究極のダラダラ生活を満喫する
- 読書(マンガもOK)、ゲーム、趣味など、好きなことに没頭する(おすすめ)
など、好きなことをして問題ありません。
体は寝れば元気になります。
こころは、「楽しんだり安心すること」で元気になります。
注意したいことは、「SNSやネットでの外部発信」はやらないことです。
なぜなら、あなたが平日に休んでいるのを見ると、やはり不快に感じる人も少なからずいるからです。
ですので、トラブルを避けるため、外部発信はやめておいた方が無難です。
楽しいことを共有したい気持ちはわかりますけどね。
あと、ゲームは時間を決めてやらないと、夜更かしなどで生活リズムが乱れるので注意しましょう。
ちなみに私は休職中、リハビリを兼ねて寺社仏閣の御朱印を集めていました。
神様に救いを求めていたんでしょうね。
根本的な解決を目指し、再発を防ぐ
精神疾患は再発、もしくは長期化する可能性が高い病気です。
さらに再発してしまうと、その後の再発率も高くなっていきます。
今の状態が、あなたの性格や職場との適正度に起因するものなら、復職後も再発する可能性があります。
ですので、休職中は自分と向き合う内観の時間を作りましょう。
具体的には
- どんな生活がしたいのか
- 今の仕事以外にどんな仕事がしたいか
- 逆にどんな仕事はしたくないか
- 辛い時は何をしたら落ち着くだろうか
という感じです。
この習慣が今後の病気の克服や改善の手がかりになります。
中途半端に復職すると、その後の仕事は超ハードです
早く復職したいと思いますが、まずはしっかりと体調を整えましょう。
体調が不十分なうちに復職すると、こんな感じです(経験済み)。
- 働けても、重い症状を治療しながらの業務はかなりハードです
- 再発して退職してしまう
- 無収入は将来への不安を生み、治療が長期化する
- 再発を繰り返すうちに、難治化します
逆に業務に耐えうる状態まで回復したなら、このような不安要素が大きく減ります。
ですのであなたの体調が万全でないうちは復職は先送りにした方がいいでしょう。
また、会社から復職の催促が来ることもあります。
そんな場合でも、症状が安定していなければ期間を延長してもらいましょう。
期間を延長したい場合は、主治医に診断書を書いてもらいましょう。
「医師の判断で働けない状態」なのであれば、あなたに問題はありません。
ちなみに会社が休職者を休職中に解雇することは、原則として違法になっています。
だからとことん休んでいいんです
このように、心おきなく休むこと自体が、治療になるのです。
さらに言うなら、万全な状態で復職するためだったら、会社の規定の休職期間をフルに使って休んでもいいと思います。
そのための休職制度なんですから。
一概にどのくらいの期間でラクになってくるということはできません。
ですが、ある程度元気になってさらに休んでパワーを溜めると、「そろそろ働きたいなぁ」という欲求が生まれます。
そしてその状態に至った頃には、あなたの症状はかなり良くなっています。
その時のあなたは、休職前のあなたとはまったく別人のように良い状態になっています。
ただ復職後、うつで辛くない状態でも注意したい点として
- 元気だからと言って、急にペースを上げない
- 失敗やミスは誰でもするものなので、重く受け取らない(リカバリーができたらOK)
特にペースを上げない事には十分意識してください。
復職に向けた、会社との休職前の準備
連絡手段とタイミングは、会社ときちんと決めておこう
私の場合は毎日朝10時に電話で定時連絡というキツい縛りがありました。
これはどん底の状態では不可能です。
私が考える連絡のルールは以下のような感じがいいと思います。
- 連絡窓口を一人に限定する
- 連絡の間隔は、なるべく長いスパン(月一度や隔週など)にする。
- 連絡時間は営業時間内のどこかでも構わない
- 連絡手段は電子メール等、口頭以外の手段での連絡にする
これはあくまでも私の意見であって、会社の都合を無視したものです。
会社側もあなたを迎え入れるための段取りがあります。
ですので全てを受け入れてくれるとは限りません。
そして最終的には会社とあなたの調整が必要です。
ですが、思った以上に連絡することは疲れます。
私は、会社と距離を置くルールを作ることをおすすめします。
復職のタイミングは、主治医とあなたが「大丈夫」と判断した時
辛いうつからの復職は、主治医とあなたの意見が「復職可能である」と合致したタイミングがいいでしょう。
主治医が「大丈夫」と思っていても、あなた自身が「まだ」と思うなら、復職するタイミングではないと思います。
その逆も同じです。
「あなたのこころ」と「専門家の判断」の二つが揃った時が、復職のタイミングです。
復職を妨げる情報の対策
しんどい時は、周囲との会話はなるべくしない
- まず事情を話し、落ち着くまでそっとしてもらえるように呼びかける
- 書類作成など、思考と判断が必要な時は協力してもらう
- 病状が安定するまでは必要最低限の関わりでとどめておく
少しわがままかもしれませんが、これが無難な策だと思います。
なぜなら人と話す限りは、少なからず言葉の影響は受けてしまいます。
周りがどんなに好意的な言葉を投げかけてくれたとしても、急性期の時はネガティブに受け取ってしまいます。
これはもう、そういう病気なので仕方ありません。
下手に会話を膨らませると、かえって関係が悪化する場合があります。
会話は、病状が落ち着き、感情をコントロールできそうな時だけにしておきましょう。
SNSやニュースアプリの見すぎに注意
SNSやニュースなどからも悪い影響を受けてしまう事もありますので、注意が必要です。
- 暗くネガティブな話題
- 芸能人のスキャンダルなど、不毛な話題
- 幸せ自慢
こんな情報に、人は敏感に反応してしまいます。
ネガティブな話題はもちろん、身近な人の幸せそうな投稿は、意外にも心をえぐられます。
それらの理由で私は、LINE以外のSNSやニュースアプリは全て削除しました。
特に何の不便もなく、むしろ要らない情報が無い分快適です。
制度を利用して、お金の支援を受けよう
傷病手当金をもらう
休職期間は労働をしていないので、給料は出ません。
そんな時の収入源となるのが傷病手当金です。
主な内容は下記のとおりです。
- 対象者は企業に勤める、健康保険に加入した人
- 健康保険に加入していればアルバイトなどの非正規社員も対象者となる
- 支給金額はざっくりと月給の3分の2程度。
- 支給対象期間はざっくりと休職している期間のみ
- 支給期間は最長で1年6か月まで
- 休職期間が数か月に及ぶ場合は毎月の申請書の提出が必要
- 「申請してからの支給」となるため、休職期間であっても、申請前は支給対象外
傷病手当金支給申請書の中身は4枚1組
- 被保険者記入用(休職者本人が記入する):2枚
- 事業主記入用(会社が記入する):1枚
- 療養担当者記入用(医師が記入する):1枚
という内容になっています。
傷病手当金の申請手順
ざっくりと4過程となっています。
- 会社に傷病手当金支給申請書をもらう
- その申請書のうちの被保険者記入用をあなたが書く
- 主治医に申請書の「療養担当者記入用」を渡し、書いてもらう
- 会社に「事業主記入用」を書いてもらう。その時、全ての用紙を会社に提出する。
4が済んだら管理団体(協会けんぽ)に提出します。
提出は4の流れで会社が提出するのが一般的ですが、休職者本人が郵送で提出もできます。
補足
- 休職の意味も理解した
- 会社への事前準備も全て済ませた。
- 余計な情報を入れない環境も整えた
- 収入を途切れさせないようにもした
考えられる不安は大体解消しました。
ですが、こころは移ろいやすいものです。
休みの間にも、意味もなく不安に押しつぶされそうになる時があります。
そこでここからは、私が考えた過ごし方や考え方を4つ紹介します。
動けないなら無理せず休む
初めのうちは、毎日のよう後悔や絶望でいっぱいです。
ですがそれは、「あなたが今後良くなろうと試行錯誤してる過程だから苦しい」のです。
他の人より苦労した分、他の人より優れた人間性が養われます。
今の苦労があるから、人にも優しくなれます。
だけど今は、自分をねぎらって休んでください。
会社や将来の事を考えない
未来を不安に思っても、その時にならないと分かりません。
そしてその不安のほとんどが取り越し苦労に終わります。
ですので、できるだけ今を楽しみましょう。
おすすめは
- 映画
- マンガ
- ゲーム
- お笑い番組
マンガやゲームも、「没頭できるもの」としておすすめです。
私は一日中漫才を見ていましたし、ゲームばっかりしていました。
朝から晩まで遊びで時間を消費するのは小学生以来で、童心に戻る事もたまには必要だと知りました。
回復の度合いによって少しずつやる事を増やす
おすすめは
- 掃除
- 洗濯
- 料理
これらは家の中でできます。
働いた気分にもなれて、さらに運動にもなります。
まさに良いこと尽くめです。
朝は窓ぎわで日光浴するのもおすすめです。
どちらも朝日を浴びることで、こころを安定させるセロトニンが分泌されます。
さらに日光によって体内時計も整います。
体調が良い時の朝は、散歩にも挑戦してみましょう。
医師との付き合い方
主治医の復職可能の判断はかなり早め(私の体感)
多くの人の体験談では主治医の復職の判断はかなり早めだと言っています。
私の場合でも2か月で復職しましたが、その頃はまだ、ほとんど回復していない状態でした。
たまに芸能人が「うつから3か月で復帰」などの見出しの記事がありますが、大分無理してるんじゃないかと不安になります。
運よく早期発見できた人は、短期間の休職で復職できるのかもしれません。
ですが動けなくなるほどの状態の人は、じっくりと治す必要があります。
前述したとおり、復職のタイミングは「主治医とあなたがこれなら復職可能だろう」と思った時だと思います。
それでも「働くことは基本的にはしんどい」ので、復職後も細心の注意を払ってください。
カウンセリングを受けてみる事も有効
専門家であるカウンセラーに自分の考えを話すだけでも、気持ちがかなり整理されます。
うつになった本当の原因や理由を知るきっかけになり、根本的な治療や改善の手助けをしてくれます。
ただデメリットもあります。
それは通い続けると結構なお金がかかる事です。
大体は一時間に5,000円程度ですが、一律で決まっているわけではありません。
もしかするとそれよりも高いかもしれません。
「将来の安定した精神を買う」ということであれば安いのか、高いのか…。
人それぞれの都合や価値観は違います。
ですが私は、お金に余裕があれば、積極的に利用してほしいものだと思います。
今回は以上となります。
あなたの回復が一日でも早くなりますように。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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