うつは甘えの基準って何?気にしなくていい根拠と、言う人の心理

この記事ではうつが甘えではないという説明と、うつは甘えという言葉を発する人の気持ちを具体的に解説します。

うつで休職中です。
家族や周囲の人から「うつなんて甘えでしょ?」とよく言われます。

私はうつ病を理由に甘えているのでしょうか?
そもそも何を基準でうつが甘えだと言っているのでしょうか?

 

「うつ病なんて甘えだ!」

こういった言葉で傷ついた人が世の中にどのくらいいるでしょうか?

そして本当にうつは甘えなのでしょうか?

そもそも「うつは甘え」の基準って何なのでしょうか?

そんな疑問に、10年前からうつ病と戦ってきた私がお答えしたいと思います。

結論は

  • ほとんどの人間が、発言者本人の嫌な気分のはけ口で言っているだけ
  • ただし親や愛情深い人は優しさゆえに、厳しく接してしまっている

です。

そしてこれに対する適切な対処は

  • あなたが発言者の発言に対して愛情を感じられない場合は、適当に受け流す
  • 発言者があなたの気持ちを聞いてくれそうなら、お互いの気持ちを確認し合う

です。

それでは順を追って解説していきましょう。

この記事でわかること
✓ うつ病や抑うつ症状が甘えではない根拠
✓ 「うつは甘え」という人の考えの特徴や実際の行動
✓ 実は心配して「うつは甘え」と言ってくれている親切な気持ち
✓ 「うつは甘え」という人の矛盾点

これらを理解することで、「うつは甘え」という言葉に振り回されなくなります

この記事の概要

  • うつ病は甘えではなく、脳の病気
  • 「うつが甘え」という人の価値基準
  • 「うつが甘え」という大多数の人も実は甘えながら生きている
  • 補足 「うつが甘え」という人に対しての切り返し方法
  • まとめ

記者の信頼性

私は10年前に職場での人間関係や仕事そのもののストレスが原因で、双極性障害(躁うつ病)になり、会社を休職しました。

さらに復職にも失敗して退職し、引きこもり生活となりました。

その後2年間の療養生活を経て、独自の回復法を考案し、実践することで社会復帰を成し遂げました。

10年経った今では大好きな奥さんと息子のいる、楽しい生活を送れています。

しかし療養中には、兄弟や数人の親友との縁も途絶えてしまうほど、精神や生活が荒れ果てていました。

逆に、それまでより強固になった絆や、一生モノの恩をいただいた人達もいます。

うつが甘えの基準ではない客観的な証拠

うつが甘えとは言えない医学的な根拠

医学博士である近藤一博教授(東京慈恵会医科大学、医学部教授)が、2020年に発表した論文には、うつの原因がヒトヘルペスウィルス6(HHVー6)というものが原因だと断定しています。

うつ病の原因遺伝子の発見
-ヒトヘルペスウイルス 6(HHV-6)の潜伏感染はストレス応答を亢進させることで、うつ
病のリスクを著しく上昇させる-
東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座・近藤一博

「東京慈恵会医科大学、ウィルス学講座、日本語解説論文」の冒頭より抜粋

より詳しく知りたい方は、上記の青文字のリンク先が論文になっています。

医者の基準でうつは病気。だからうつは甘えではない

外傷の無い精神疾患は、病院での問診票や実際の診察で、症状や度合いを数値で判断します。

それは個人の主観ではなく、様々な研究からなる客観的な基準によるものです。

そうした基準と照らし合わせて病気と診断されるのですから、大多数の専門家や医師が病気と認めているのと同じなのです。

長年の分析で信頼を得た数値と専門家の判断は、うつが甘えではない基準として最も信憑性があるのではないでしょうか。

うつ病やうつ状態になる原因

人間の脳内では普段は適量に分泌される色んな脳内物質が作られています。

その脳内物質のおかげで人間は、気分や感情や行動を操る力が湧いてきます。

うつ病はその脳内物質のバランスが、積み重なった生活習慣やストレス、疲労が引き金になって崩れてしまう病気です。

 

症状は希死念慮などの気分障害や頭痛や倦怠感と言った身体的な障害まで様々です。

うつが「気持ちによる病気」と思われがちです。

ですがこうした物質的な背景もあるので、「気持ちが弱いからうつ病になる」とは言い切れないのです。

極度の疲労状態って、誰でもすごく疲れますよね

皆さんは「ハンガーノック」という状態をご存じでしょうか?

これは激しい運動を長時間行うことで極度の低血糖状態になり、激しい疲労感を伴って体が行動不能の状態になることです。

 

うつ状態がひどい時もこのような症状が四六時中、朝起きた時からそんな状態です。

これはそれまでの仕事ややるべきことに長期間追われ、一切の休息も与えずに行動していたからです。

あなたの中では、溜まりすぎたストレスや疲労で精神がボロボロになっています。

これではエネルギー切れで倒れるのは当たり前です。

 

うつ病や精神疾患というのはむしろ、甘えられない性格の人だからなる病気と私は考えています。

病気になったら薬を飲んで休む。

当然の対処法だと思います。

産後うつも甘えではありません

出産時やその後の授乳は膨大な体力を消費します。

そして家族が増えるという生活の変化でホルモンバランスが乱れます。

生まれたばかりの赤ちゃんは本当にデリケートで、すぐに病気にかかったりします。

第一子ならばお母さんも初めての体験なので、かなり精神的にストレスが溜まります。

これらの理由により、うつ状態を発症する原因になっています。

だから精神科や心療内科などで治療を行うんです

病院で診断を受けた患者は、医師の指示により治療を受けます。

これは病気だから治療を受けているのです。

診断書を書いて会社を休職や退職できることも、うつ病が病気であることの証明ですよね。

甘えてるだけなら、医師からは「大丈夫、それ病気じゃないから会社行きなさい」で処理されて終了です。

 

病気と認定されているのですから、うつは甘えではありません。

何度も言うように、誰にも甘えられなくてずっと耐えてきたから、そんな状態になったんです。

 

「うつは甘えだ!」と言うことは、出勤中に車に轢かれて骨折しているのに、「骨折くらいで甘えるな!仕事しろ!」と言うようなものです。

轢かれたらすぐ病院に行って適切な検査や治療を受けますよね?

うつ病も同じく、どうしようもなく気分が落ちたり体の変調が気になる人は、早めに病院に行きましょう。

うつが甘えという人の考えの基準

私が会った、「うつは甘え!」と言う人の特徴として

  1. 「昔はもっとしんどかった」オジサン(オバサン)
  2. 「休んでるのはズルい思考」の人

主にこの3タイプです。

1.「昔はもっとしんどかった」オジサン(オバサン)の基準

「自分の苦労に比べたら軽いじゃないか」

これがこの人達のうつは甘えと言う基準です。

 

いつの世も若者と年長者の価値観は相容れる事は簡単ではありません。

ですがどの世代がラクとか苦しいとかは一概には言えず、世代間や人それぞれに独特の苦労があります。

抱えるストレスや不安の種類も世代ごとに全然違います。

だから苦労を比べることなんてそもそも無理なんです。

 

とは言え、そんなことを言ってもその人達には通じません。

基本的には自分がエラいと思っているので、歳が離れているほど理解はされません。

返事のすべてが「自分が」で始まり、自分の主張を強めていきます。

これは彼らもまた、自分の苦労を認めてほしいという強い甘えがあるからです。

2.「休んでるのはズルイ思考」の人の基準

「自分もラクしたい」

これだけです。これが基準です。

私が自宅療養中の時の兄弟がこんな感じでした。

「いつ働くの?」

「今後どうするの?」

「そんなにダラダラしてたいの?」

と畳みかけてきて、

「自分もしんどい思いしてやることやってるのに、どうしてあなたは休んでるの!?」

最後にこの本音が飛び出してきます。

 

つまりは

彼らもうんざりするような現実から離れて休みたい…。

そう思っているわけです。

これはただ羨ましがっているだけですよね。

そんな彼らの鬱憤が爆発してるだけなので、気にしなくて大丈夫です。

「彼らの不満」と「あなたの問題」は別問題です。

3.親の基準

親の場合は上記の1、2の人達とはちょっと違います。

親は大抵の場合、基本的には子であるあなたの味方です。

これは私が現在、親の立場になったからわかることです。

あなたがどんな状態でも、親は大好きな子供であるあなたを必ず生かそうとします。

それには当然お金がかかります。

ですがそれよりも深刻な問題は、親はあなたより早く働けなくなりますし、寿命が尽きるのも早いことです。

 

ですので親はそんな経済面の不安や焦燥感であなたにキツく当たってしまう事があります。

またその他にも、愛情があるがゆえに過干渉になってしまうので、あなたが元気な時に少しずつ親御さんの気持ちを汲んであげてください。

そして「今はこんな状態だけど必ず復帰するから、信頼してほしい」と正直に気持ちを打ち明けてください。

きっと親御さんの不安を和らぎ、状況が改善できます。

「うつは甘え」と言っている人も実は基準がなく、色々甘えている

健康な人でもこんな人っていませんか?

  • 「自分の生活が苦しいのは政府のせいだ!」
  • 「仕事でむしゃくしゃするから酒やタバコがやめれない!だから自分は貧乏なんだ!」
  • 「おれの言う事がなんでわからないの!?」と部下を退職に追い込むクラッシャー上司

こんな人達をよく見かけます。

この人達の発言の基準は常に他責志向です。

いつでも「自分が良い状態でないのは、誰かのせいだ!」と言います。

この人達は毎日、こんな不満を抱えながら苦労の毎日を送っています。

ですが残念なことに自分の課題を解決しようとしないので、状況は好転しません。

そんな状態の時、一日中家に籠っている病人のあなたを見ると、羨ましくてたまらないんです。

 

逆にメンタルが安定している人は、あなたのその状態を冷静に見て、相談に乗ってくれる人もいます。

間違っても批判するようなことはしません。

 

つまり私が言いたいことは、頭ごなしにうつは甘えだと言ってくる人は、自分の課題から目を背けてその不安定な気持ちを他人で発散しようとしている人なのです。

その考えは完全に甘えであり、あなたに向けられた感情は嫉妬心です。

 

ですので気にしなくて大丈夫です。

この人たちも同じく患者であるあなたに甘えているのです。

そもそも誰にも甘えず生きている人なんて存在しません。

こう考えるとちょっと気持ちが軽くなりませんか?

うつが甘えではない基準が分かったら

うつは甘えだと言われても、気にしない。適当にあしらうのが最善策!

他人の考えを変える事はとても難しいことです。

特に上記の理由であなたに甘えだという人は、ただ単に言いたいだけの人がほとんどです。

そういう人達の返答は同じ内容をループするか、途中で面倒になって話題をすり替えたりします。

そういう言葉は無視しても構いません。彼らも特に意味があって発言しているわけではありませんので。

 

意見のやり取りは、大量のエネルギーを消耗します。

返事は「そうかも知れませんね」など、相手の気持ちを逆なでしない、最低限の返事で十分です。

あなたのエネルギーは、うつ病治療のための貴重なものなので、無駄な争いは避けましょう。

まとめ

病気になって弱気になっているところに、「うつは甘えだ」という言葉を聞かされるのは本当に辛いです。

こんな時は、

  • あなたが病気である根拠や基準を明確にすること
  • 発言する相手の立場や考えの基準を知ること
  • あなたにうつは甘えだという人も実は色々と甘えている

この3つをハッキリさせることで、その言葉に追い込まれる度合いが軽くなります。

 

また、言い争いはエネルギーの消耗が激しいので避けましょう。

うつ病から復帰するためには大量のエネルギーが必要です。

無駄なエネルギー消費はできるだけ抑えましょう。

 

今回は以上となります。

 

今回の記事があなたの体調の改善や克服の参考になれば幸いです

あなたの回復が一日でも早くなりますように。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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