ある程度心身は回復してきたのに漠然としたうつ状態が改善しない…。
そのまま何もしない期間が長引いて、焦りと不安から心が悪化してしまう。
そしてせっかく安定してきた日々の習慣も悪化する一方に…。
私も何度も経験しましたので、この歯がゆい気持ちはとてもよくわかります。
しかしその悪い状態を何度も経験することはできるなら避けたいところです。
なぜなら長期間に何度も悪い経験をしてしまうとそのメンタルが常態化してしまうからです。
そしていい状態に上がろうとしてもそこが頭打ちになってなかなか抜け出せなくなります。
この記事では「大分治ってきたかな?」という時に実践した、私流の段階別にうつを改善するために変えた習慣を紹介したいと思います。
今回の内容は後半になるにつれて結構スパルタです。
内容を先に言いますと
- レベル1 笑顔の練習
- レベル2 声を出す練習
- レベル3 キツめの運動(10㎞ジョギング)
- レベル4 栄養管理
- レベル5 積極的に人前で話す
- レベル6 「きちんと」休息する
です。
全てをこなせるようになるまではかなりキツく、しかも3か月以上と長い時間がかかりました。
ですがこのうつの改善のために努力した期間は、私の人生の中で特に輝ける瞬間だったように思います。
それまでの自分に打ち克つ瞬間はどんな時でも素晴らしいものです。
人によってはかなりハードな内容かもしれないので、実行してもどうしてもしんどくなる方は、無理せず中断してください。
無理や焦りがもっとも体に毒ですからね。
それでは早速、参りましょう。
【スパルタ特訓!】うつ改善のために大きく変えた習慣【6段階】
私は元々10年程前までは躁うつ病の患者でしたが、そこから復帰して今は復職もできて、結婚して家族を持つこともできています。
しかし、病気になってからは、自分がどう生きていいかわからずに、家族や周りの人にたくさん迷惑をかけたり、中には切れてしまった縁になった人もいます。復帰するまでには何度も失敗や挫折をしましたし、辛い思いもたくさんしました。これまでに経験した失敗や、復帰のために挑戦した実体験を元にしたアドバイスをします。
✓あなたへのメッセージ
ある程度回復したけど、そこから浮上できず足踏み状態に…。
その時の
- どうやって今の状態を変えたらいいかわからない
- 他の人はどうやって改善していったのかな
- 多少は無理した方がいいんだろうけど…怖い。
思い切った改善を試すようになったきっかけ
体も心もかなり回復し、社会復帰を考えたことがきっかけです。
しかし長期間外出しない生活をしていたので、体や心のあらゆる部分が鈍ってしまっていたのです。
これでは運よく社会復帰できたとしても、体力切れで失敗するに違いない。
そう思った私は、一念発起し、これらの特訓を考え実行しました。
うつ改善習慣レベル1 鏡の前で笑顔の練習
「面接で自信なさげなのはマズイよね。演技でもいいから顔だけでも明るくしよう」
そう思って鏡の前で笑顔の練習をしました。
そして次の日から、起きたら次の事を実行しました。
- 手鏡で自分の顔を見ながら笑う
- 口元や目元の筋肉の形をよく観察する
- 特に口角を上げて明るい顔を意識する
分からない時は芸能人の写真を見たり、指で無理やり口元を持ち上げてみたりしました。
最初は顔が疲れますし、頭が痛くなります。
自然な笑顔を作れなくてさらに落ち込みます。
ですが気長に色々試してるうちに、ある程度自然に笑顔を作れるようになります。
この時ほど自分の顔をまじまじ見た事はありませんが、笑った顔を見ると、少しだけ自信が出てきました。
今回この記事を書く上で調べた事ですが、この方法は自己肯定感を上げるのに有効だそうです。
作った笑顔だとしても、笑顔の状態になっているとドーパミンが分泌され、楽しくなるそうです。
「楽しいから笑う」ではなく、「笑うから楽しい」のかもしれませんね。
うつ改善習慣レベル2 ハッキリとした高い声を出す練習
これは金切り声のような奇声を出すのではなく、暗くこもった声を治そうということです。
声は感情で変化しますし、聞き手もその声から人の感情を判断します。
私の声は元々は低く、暗い感情の時は余計にボソボソと聞こえづらい声でした。
これでは聞き手が持つイメージも悪くなります。
ですので私は、声を変えて印象を変えよう考えたのです。
この練習のポイントは
- 声を録音し、それを聞き返しながらどんどん明るい声になるように意識していく
- 滑舌よりも一言ずつを丁寧に発音する
- 母音「う」と「お」の発声はノドの奥からの発声となり暗くなりやすいので特に感情をつける。
鏡を見ながらやると表情の練習もできるから、より効果的です。
面接や日常会話をイメージして、自己紹介や会話のシミュレーションの文章を作っては、それを口に出すようにしていました。
その甲斐あってか、段々と「声を出す」という事が楽しくなる瞬間が増えました。
それからは家族に対して「おはよう」「おやすみ」「いってきます」などのあいさつをする事ができるようになり、周囲との信頼の回復にも実感が持つことができました。
発声練習は私にとって、特に良いリハビリになったと思います。
うつ改善習慣レベル3 体が動く時は10㎞の距離をほぼ毎日走った
このハードな運動は、特に必要ではないかもしれません。
日常生活に必要な筋肉量を得るだけならウォーキングで十分だと思います。
当時の私は無職になる前から30kg以上も体重が増加して80kgを超えていました。
退職前はミイラのような体型になっていましたが、それから2年後のこの時は適正体重から15kgもオーバーしていました。
その結果、就職活動をするにしても持っていたスーツが入る体型ではなかったからです😫
しかし2年も無職が続くと資金的な余裕がなく、その中からのスーツ代捻出は結構な出費でした。
しかも太っているとなると見栄えが悪い。
「2年無職、病歴あり、太っている」
私が人事担当なら採用は見送るかなぁと思ったので、スーツ代を浮かす&肉体改造のためにすぐに減量を開始しました
この練習のポイントは
- 走る前に腹筋などの筋トレをする
- 多少の雨が降ろうと10㎞必ず走る
- 発汗量を上げるために、服の下にカッパを着用した
- 負荷を上げるために前半5㎞は手足に1kgのウェイトを着用して走る
- 走った後は一つだけ少量の糖分を摂って良いというルールで飽きを防止
- 本当にしんどい日のみ無理せず休む
これを2か月続けて17kgの減量に成功しました。
スーツも見事に体型にピッタリでした😄
この体験で「自分の根性も捨てたもんじゃないな」と、少し自信がつきました。
うつ改善習慣レベル4 自分で食事を作り、栄養を管理し記録した
レベル3の運動だけでは短期間に変わる事は不可能だと判断したので、食べるものを全て管理しました。
ここでのポイントは
- 一日の基礎代謝量を含む一日の活動にかかる消費カロリーを把握する
- 摂取カロリーが消費カロリーを上回る事は絶対に避ける
- 体重と摂取カロリー、消費カロリーを毎日記録する
- 食事以外の空腹時の対処法を決めておく(常備している味噌汁を飲んだりガムを噛んで対処しました)
特に「毎日記録する」ということがとても重要です。
なぜなら2,3日も記録を取らなければすぐに、栄養の管理のみならず、運動する気分も損なわれていくからです。
何事においても全ての行動を統制するために、記録する(データを残す)ことは必須です。
この行動があったおかげでそれぞれの行動の関連性が分かり、後に資産運用や家計簿をつける際にも、さほど記録する事に抵抗がありませんでした。
もう一つここで重要なことは、欲望に負けそうになった時の「対処法を決めておく」ということです。
何事においても毎日それができる状態が続くとは限りません。
そんな時の「努力できない状態の時はこうする」といったルールを事前に決めて準備しておけば、断念することは大幅に減らせます。
そして、それがどうしてもできない時はルールの改善や目標値を下げるといった対応をすればいいのです。
うつ病になった事は不幸な事故だったかもしれません。
ですがこれら復帰に対しての自分の努力や、そこから何かを発見できたことはいい経験になったと思います。
うつ改善習慣レベル5 自ら人の前に出て話をする機会を作った
心と体が整ってきたらいよいよ外に向けての行動を開始しました。
再就職したとしても、コミュ障ではその後の生活もままならないと思ったからです。
ここでのポイントは
- とにかく人と話す事、目を合わせる事に慣れる
- 人の話を通して自分を知る
- 日常の生活を大きく変化させて、不安に慣れる
そしてその主な行動は
- 就職活動(ジョブカフェに通う)
- ビジネススクール入校
- 人づてからの人付き合いの拡大
の3つです。
正直な話、就職活動以外は降って湧いた幸運を偶然利用したようなものなんで、再現性はあまり高くないかもしれません。
「就職活動」はジョブカフェという国が運営するサービスを利用させてもらいました。
専門スタッフとのカウンセリングは、他人を通して自分を観察することに最適でした。
「ビジネススクール」は偶然町で見つけた看板がきっかけで、見つけた瞬間に入校を希望しました。
入会金と月謝については当時は痛手でしたが、復帰のための投資ということにしました。
「人づてからの人付き合いの拡大」は、友達を頼りにその知り合いと会い、そのまた知り合いに会い…といった感じで芋づる式に会っていきました。
このように短時間に同時進行で色々な行動を起こすことで毎日外での予定ができます。
ですので家に籠る生活を、割と早い期間で断ち切る事ができました。
どの行動も初めは不安で疲れましたが、それまでのネガティブな自分から抜け出せている実感があって、充実感がありました。
特に人づてからの紹介で友達になった方との話が印象に残っています。
私が精神疾患からの復帰途中という話をし、表情や発声の練習を毎日していることを言うと、
「すごい!役者さんみたいなことしてるね!」と褒めてくださったこともあり、それが励みになって、向上心が刺激された事が印象に残っています。
うつ改善習慣レベル6 しんどくなったら他の事は気にせず、休息に専念する
前述5つの習慣の変化で、何度も「もういや!しんどい!動けない!」という場面があると思います。
そういう時はしっかりと「休む」ことを選びましょう。
そしてこの事がこれからラクに生きる上での究極の極意となります。
ここでのポイントは
- 限界!無理だ!と思ったら即行動を中止する
- 心を悩ます物事を極力考えないようにする
- 多少は「自分中心」でも大丈夫という気持ちを持つ
- 休み終えたら行動再開。その中で最も大切な事から全力を注ぐ
ここでいう休むことは、夜しっかり寝るとか、疲れたから30分休憩するといったものではありません。
一度全ての物事を忘れて回復に専念し、態勢を仕切り直すことです。
回復の最中は、前述の特訓の習慣もやり残した課題もこれからの約束の事も、全て切り捨てて回復に専念します。
そうは言ってもどうしても気になりますよね?
そんな気持ちにならないために、気持ちが軽くなる名言を一つ紹介します。
世界最高の投資家であるウォーレン・バフェットは自身の株式投資という仕事に向き合う時の心構えとして、こう語っています。
株式市場は見逃し三振の無い野球のようなものです。
すべてにスウィングする必要はありません。
打ちたい球を待つ事ができます。
早く成果を出したいなら、好機が万全の状態の時に来るまでタイミングを待つ事が大切という事ですね。
そこで機会を取り逃したからと言って、もう好機が巡ってこないわけではありません。
疲弊した状態で闇雲に行動すると、消耗するだけでせっかくの好機が失われます。
好機を狙ってそれ以外の力は温存しておくことで、最大効率の結果が生まれるということです。
私も企業説明会などの予約を取ったにも関わらず、気分がガタ落ちした時は気にせず休んでいました。
就職活動も1か月以上お休みしたことがあり、ジョブカフェのスタッフから心配されました。
ですが無理に行って失敗経験から負け癖がつく方が後味が悪いですからね。
状態を高く保つためには捨てる勇気も大切ということです。
最後に
長らくうつ状態から抜け出せない状態が続くと、殻を破るのに膨大なエネルギーを使います。
とても苦痛を伴う事ですし、「ここからが健康状態だよ」というラインが見えているわけではないので、改善に向かっているかどうかはとても曖昧です。
ですがある時に振り返ってみると、うつで臥せっていた時のあなたとは別人のあなたになっているはずです。
いつの間にかあなたは変われています。
どうぞ、無理のない程度にゆっくりとお試しなさってください。
あなたの回復が一日でも早くなりますように。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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